TikTokトレンド「ショートドラマ」とは
流行りの楽曲のダンス動画や、日常の一部を切り取ったVlog動画から、「猫ミーム」や「ストリートスナップ」など、多くのSNSトレンドを生み出してきたショート動画アプリ『Tiktok』だが、最近ではショートドラマが話題に登ってくることが増えている。
直近では、映画『カメラを止めるな!』で監督をつとめた上田慎一郎氏による『みらいの婚活』というショートドラマが大きな反響を呼んだ。TikTokユーザーの方であれば、おすすめに流れてきたことがあるかもしれない。
『みらいの婚活』は、AIが希望の結構条件にマッチする人物をメガネ越しに表示してくれる世界で婚活に励む女性の物語だ。3話構成となっており、1話あたりは2分程度。全編合わせても6分という短さだが、近未来という世界観を活かした仕掛けもあり、短い時間でも満足感のある物語になっている。
未来の婚活というコメントのしやすいトピックに、タイパ思考の現代にマッチしたショートドラマという形態がハマり、3作の合計再生数は1700万回越、いいね数は38万を越えている。
『みらいの婚活』第1話
また、先日発表されたTiktokの上半期トレンド対象2024にもホットワード部門に「ショートドラマ」カテゴリは入り込んできており、比較的目につきやすく、かつ見られやすいジャンルになってきていることがわかる。
ここで注目すべきは、ショートドラマのPR展開についてだ。見られやすく、ユーザーからの反響も集まりやすいショートドラマだからこそ、PRにはもってこいな側面がある。
短く見やすいドラマの中に自社商品のプロモーションを入れることで、印象にも残りやすく認知されやすい。その効果は、実際に数字としても現れている。
Z世代(※)を対象としたシンクタンク組織『Z総研』により行われた、Z世代を対象とした「TikTokショートドラマ」に関する意識調査では、以下のような結果が出ている。※ジェネレーションZ世代(1995年以降生まれの若年層)
「ショート動画」を用いたPR事例2選
こちらが、実際のショートドラマのPR事例だ。
ヤマザキビスケットのPRショートドラマ
一人暮らしの女子大生が食事に困っているというシチュエーションで、”コスパ飯”と称してヤマザキビスケットがPRされている。一人暮らしならあるある!と思うような場面かつ、親からの仕送りでヤマザキビスケットが送られてくるという展開。実際にありそうなワンシーンだからこそ、私も仕送りしてもらおうかな、などと想起しやすい。
ZOZOTOWN PRショートドラマ
アパートの隣の部屋に住んでいる男の子が気になるけど、冴えない私服が見られてしまった!というシチュエーションから、ZOZOTOWNの通販で服を買うというストーリー。全2話構成。ZOZOTOWNの印象的なダンボールが多く登場しており、見る側の印象にも残りやすくなっている。
数字で見える反響や結果からも、ショートドラマをPRに用いることは有効だと言えるはず。今はまだ知名度のないサービスも、こういったドラマを介することでCMっぽさが薄れ、見る側にも楽しんでもらいながら知名度アップに繋げられる。
視聴者からも概ね苦にならず、商品にとってマイナスなイメージに繋がりにくいことも、ショートドラマPRのメリットと言えるだろう。
コメント